12月23日に、都内で「COP25報告セミナー新たなベンチマーク - 1.5℃・2050・ネットゼロ」が、 公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)様の主催で開催されました。このイベントに、COP25に参加した日本のユースという立場でCYJより広報の藤縄が登壇いたしました。
写真:IGES提供
ここでは、現地での活動報告に加え、COP25で印象に残ったことや今後の日本の取り組みへの思いをお話する機会を設けていただきました。ユースの他に、経団連や京都市など、非国家アクターよりスピーカーの方が登壇されており、それぞれの見地から意見を述べられていました。また、来賓あいさつでは、環境省より小泉進次郎大臣がお言葉を述べられており、会場は満席状態でした。
【COP25での交渉の結果について】
COP25で繰り広げられた国際交渉において、最大の焦点であったのは「パリ協定6条」のルール作りについてでした。これは、COP24でも話し合われていましたが、合意に至らなかったためCOP25に持ち越されました。6条には、国々が協力してトータルでGHG排出量を減らす制度が定められ、パリ協定に関するニュースで頻繁に目にする「市場メカニズム」についてもここに含まれています。市場メカニズムを活用すると、先進国から発展途上国への技術導入に期待ができる一方で、これに協力した先進国は途上国から排出権の譲渡を受けることができるので、自国の排出量を実質増やすことができてしまいます。COP25では、議論が平行線であったため、合意には至りませんでした。よって、2020年のCOP26(グラスゴー会議)にて引き続き話し合われることとなりました。
6条に関する交渉について、より詳しく書かれている資料をいくつか紹介いたします。
気候ネットワーク 「COP25 マドリード会議の結果と評価」
WWFジャパン 「COP25報告:パリ協定 積み残されたルールの議論が紛糾」
WWFジャパン 山岸尚之 「COP25におけるパリ協定のルール作り」
国立環境研究所 「COP25の概要と残された課題」
【登壇した藤縄より】
まずは、このような意義深いセミナーにユースが登壇する機会を作ってくださったIGESの皆さまに感謝申し上げます。ユースは社会を構成する1つのステークホルダーとして、その発言権が認められているものの、あらゆる面でまだまだ立場が弱いのが現状かと思います。政策提言や社会的な決め事をする場において、ユースの声に耳を傾けることができる社会を作るといった機運を高めるために、今後も行動していく必要があると考えています。今回のイベントで、環境問題や気候変動に精通した方々とご一緒し、大変勉強になったのは言うまでもなく、また、同じ壇上に立っているという心強さも感じました。小泉大臣からも激励の言葉をいただき、今後の活動においても若者の良さというものを忘れず真摯に向き合っていきたいと改めて感じました。
発表資料はこちらよりご覧いただけます!
(執筆者:CYJ広報 藤縄)
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