6月上旬、今年度13回目となる勉強会を開催しました。今回はGhana Youth Environmental Movement (https://twitter.com/gyemgh)のメンバーであるガーナ人のダニエルさん(ガーナ大学卒、現在東京農工大学大学院にて植物と土壌の研究中)を招いて、英語による勉強会を行いました。今回はダニエルさんに気候変動と若者・ガーナでの環境活動についてのプレゼンを行っていただきました。また、この勉強会にはCYJのメンバーのみならず、ダニエルさんの友人であるガーナ出身の方々やICUの学生の方々にもご参加いただき、多様なバックグラウンドを持つ若者が集まる会となりました。
まず、ダニエルさんは自分の出身地であるガーナにおいて、気候変動がどのように持続可能な発展を妨げる障壁となっているのか、そしてガーナがどのようにその問題に取り組んでいるのかについて、お話ししてくださいました。ガーナの経済は、農業や水産業、観光業、林業といった気候感度の高い分野に大きく依存しています。特に気候変動は、ガーナで農業を行う小規模農家の生活に直接的に影響を与えます。ダニエルさんによると、気候変動が社会と経済にもたらす問題に対処するために、ガーナは自然ベースの解決策に取り組んでいるそうです。それは、生態系サービスを回復・利用することにより、人間活動の有害な影響を軽減し、生態系自身も復旧させる仕組みです。ダニエルさんは、森林破壊と土壌劣化が特に進行するガーナの北部でガーナの特産品であるシアの木を植林し、社会と環境の回復力を高めることで、気候変動への適応能力を高めようとするプロジェクトを紹介してくださいました。ガーナにはシアの実には女性しか触れることができない文化があるため、シアの木の植林活動は女性の確実な収入源に繋がるとともに女性の地位向上も期待できるという点が特に印象に残りました。
次に、ダニエルさんはアフリカが持続的に発展するための、若者の存在の重要性についてお話してくださいました。サハラ以南アフリカでは、三十歳以下の人口が全体の70%を占めています。ダニエルさんが、若者の人数の多さはアフリカを成長させるチャンスだが、その真の力を発揮するためには、自分たちが持つポテンシャルを認識する必要があると話されていたのが印象的でした。また、ダニエルさんは私たち若い世代にできることとして、①革新的で持続可能なアイデアや解決策を発展させる、②科学的な知見の蓄積に貢献する、③声を発する、④様々な取り組みを支援することを提案されていました。
そして、ダニエルさんからのプレゼン終了後、CYJのメンバーやICUの学生の方々から沢山の質問がありました。そこではダニエルさんのみならず、ガーナ出身のダニエルさんの友人の方々にもお答えいただきました。例えばガーナ国内での北部南部で生じる地理的特徴の差異によって格差は生じているのか、という質問に対しては、ガーナ南部出身のダニエルさんとガーナ北部出身の方の2人で詳しく解説してくださいました。ガーナの中でも北方のエリアは雨が少なく植生のタイプが南とは異なるため資源不足であるということから、経済状況が比較的苦しいということを現地に住む人の視点から話してくださいました。また、質疑応答の中でガーナの汚職問題やインフレといった政治的、経済的な状況についてその実情を問う、少し踏み込んだ質問も飛び出したり、逆にダニエルさんの側から日本の状況について問いかけがあったりと、とても活発な対話の時間となりました。
今回、ガーナの方々、そしてICUの学生の方々との交流を通じて、気候変動という地球規模の問題の大きさを再確認し、アフリカでの若者の取り組みについて理解を深めることが出来ました。そして個人的には、更に深くダニエルさんのような方々と対話し、若い世代の方々とのつながりを広げていくためにも、英語の学習にもっと力を入れていこうと思いました。CYJでは今後も英語での勉強会も実施していく予定です。
ダニエルさん、素晴らしいプレゼンテーションをしてくださり本当にありがとうございました。Thank you for taking the time to speak to us about climate change and sharing your opinion from the youth perspective!
文責:渡辺
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